第67回 JOE JACKSON『BODY AND SOUL』
2019 年 01 月 19 日
●JOE JACKSON:『BODY AND SOUL』(1984年)
Official Joe Jackson Website
先週ご紹介したトッド・ラングレン同様に。
ご説明するのが面倒くさい「天才」、その名はジョー・ジャクソン。
トッド・ラングレンと同じように「通好み」なファンにしか知られていない
勿体ないアーティストの筆頭中の筆頭。
Joe Jackson - You Can't Get What You Want (Till You Know What You Want) - YouTube
さて、この曲のカッコよさに「疑いを持つこと」が出来る方がいらしたら
私は心から尊敬申し上げます。(笑)
例えば「STING」は皆が知る「天才」ですよね?
グッドなルックスを伴っている分、STINGは本当に「反則」なお方ですが、
音楽才能のレベルはジョー・ジャクソンも全くひけをとっていません。
一般的には『ナイト・アンド・デイ』(1982年)からの
「ステッピン・アウト」が彼の最高楽曲ということになっています。
Joe Jackson - Steppin' Out - YouTube
異論は無いのですが、同じくらいに「ポップ極めり!」の楽曲が
先の「You Can't Get What You Want」と「Happy Ending」、
つまりアルバム『BODY AND SOUL』に収録されている
2大名曲っていうことです。
Happy Ending (Joe Jackson-Body and Soul) - YouTube
得てして「天才」は問答無用のポップ・アルバムを極めてしまうと、
やや難解な音楽に取り組んだり作風をガラリと変えたりするものです。
その辺り、ジョー・ジャクソンとトッド・ラングレンには
似たようなものを感じてしまいます。
そういえば動画でジョー・ジャクソンがトッドの
「Can We Still Be Friends?」を
カヴァーしているのを発見しましたよ!!
「天才」が「天才」の曲をリスペクトしてカヴァーする。
もう言葉はありませんね♪
おそらく日本に来ることは今後も無いと思われるので、
どこか海外公演に足を伸ばすしかないのですが、、、実現は難しいです。(泣)
ライヴはアルバムよりも「もっと凄いもの」を
見せて聴かせてくれることが明白なアーティストなだけに、
いてもたってもいられなくなりますね。
最新作『FOOL』のクオリティの高さにも、タダタダ、唖然。
Joe Jackson "Friend Better" Official Song Stream - Album "Fool" out January 18th - YouTube
第66回 TODD RUNDGREN『SOMETHING/ANYTHING?』
2019 年 01 月 12 日
●TODD RUNDGREN:『SOMETHING/ANYTHING?』(1972年)
Todd-Rundgren.com
「彼は天才!」
以上。
って、もう「そうとしか言いようがない」タイプのアーティストのひとり。
マルチ・プレイヤー、シンガー・ソングライター、プロデューサー。
80's世代以降の皆様にわかりやすく言いますと、
「プリンス」と同じように「何でも出来ちゃう人」、ってことです。
例えは悪いかもしれませんが音楽を「オモチャ」に出来る
特異な人種、ってことにもなります。
特にこの2枚組大傑作アルバム『SOMETHING/ANYTHING?』では
才能の塊がアルバム全体をすっぽりと覆っている感覚があります♪
この手のアーティストは「通好み」の人気を圧倒的に得るものの。
なかなか「爆発的な大衆人気アーティスト」とはならないのは、
何故なんでしょうね??
とにかく彼の音楽性は長年に渡り多岐に及んでいるので、
簡単には説明がつかないのですが
例えば分かりやすいところでこんな「超ド級」の名曲があったりします。
"Can We Still Be Friends" - Todd Rundgren, Daryl Hall - YouTube
こちらはダリル・ホールとの豪華共演ver.ですが、
ロバート・パーマーによるカヴァーが
更にこの曲のポテンシャルの高さを浮き彫りにしました♪
ロバート・パーマーが歌うトッド・ラングレン - uDiscover
今年の5月の来日公演では「ファンが一番喜ぶ時期のセット・リスト」が
予定されているとか。
うーん。。。見たいです!!
●THE FAMOUS ARTIST:KENNY LOGGINS
Kenny Loggins
「フットルース」と「デンジャー・ゾーン」の人。。。
だけで認識が終わっている感が否めない、
もったいないアーティストだと思います。
確かに映画とともに大ヒットした先の2曲を超える現象は
彼のキャリアの中ではいまだありません。
Kenny Loggins - Footloose (Video) - YouTube
ところがドッコイ、番組でライヴver.でおかけした
この曲の「作者」であることのほうが何倍も凄い評価の対象ではないかと!?
Kenny Loggins - What a Fool Believes (from Outside: From The Redwoods) - YouTube
こちらはマイケル・マクドナルド(ドゥービー・ブラザーズ)との
貴重なデュエットver.♪
ちなみにドゥービー・ブラザーズによる大ヒットver.がコチラ♪
The Doobie Brothers - "What A Fool Believes" (Official Music Video) - YouTube
いやぁ~、本当にイイ曲としか言いようがありませんね。
この二人の偉大さが分かる最近の出来事と言えば、
そう「サンダー・キャット」のアルバムにゲスト参加していた事ですっ!!
⇒「Show You The Way [ft. Michael McDonald and Kenny Loggins]」
Thundercat - 'Show You The Way (feat. Michael McDonald & Kenny Loggins)' (Official Video) - YouTube
これは意外な共演ではありましたが、
むしろ2人が現代ポピュラー音楽の最先端を行く天才アーティストにも
「絶大な影響力が持続している」ことの証が容易に垣間見れたかと。
何度でも言います。
「フットルース」と「デンジャー・ゾーン」だけの人じゃあ、ありませんから。
あ、まだあと2曲のキラーチューンがお有りでした~!!!!
Kenny Loggins - Return to Pooh Corner (from Outside: From The Redwoods) - YouTube
Kenny Loggins - Your Mama Don't Dance (from Outside: From The Redwoods) - YouTube
第65回 THE CARS『HEART BEAT CITY』
2019 年 01 月 05 日
●THE CARS:『HEART BEAT CITY』(1984年)
Home | The Cars
1970年代末期から、その独自のポップ・スタイルを貫き、
80年代に活動休止を迎えるまで確実にシングル・ヒットを量産してきた
優れたポップ&ロック・グループがTHE CARSでした。
活動期間は短かったものの、音楽シーンに刻んだ功績はなかなかのものです♪
番組でご紹介した『HEART BEAT CITY』は、強引に例えるなら
イーグルスにとっての『ホテル・カリフォルニア』~『ザ・ロング・ラン』の
流れに似たものを感じます。
THE CARSはその後
『ドア・トゥ・ドア』というアルバムを最期に解散しました。
つまり「最期のアルバムのひとつ前の大傑作」という点で、
この2グループの「最期の2枚」に同じ感情を抱いてしまうのです。(笑)
とにかく『HEART BEAT CITY』からのシングル・ヒットは
No.1とはならなかったものの、インパクトが強い優れた楽曲ばかりでした!!
The Cars - You Might Think (OFFICIAL MUSIC VIDEO) - YouTube
The Cars - Magic (OFFICIAL MUSIC VIDEO) - YouTube
The Cars - Drive (OFFICIAL MUSIC VIDEO) - YouTube
とりわけ上記の3曲は「必殺過ぎる」名曲群かと♪♪♪
リック・オケイセックの少しひっかかるような
クセのあるヴォーカルとは対照的に、
クールでカッコいいベンジャミン・オールの
ヴォーカルとのバランスがとにかく絶妙。
80'sバラードでTOP10を選べと言われたら、
私は間違いなく「DRIVE」を入れます。
もうイントロだけで即、ノックアウトなんですもの。
2018年の「ロックの殿堂入り」は本当に嬉しかったです!!
今後バンドとしての活動は無いかもしれませんが、
彼らが残してきた「ポップで親しみやすい」シングル・ヒット曲の数々は、
「メロディレス」に歯止めが利かなくなって久しい
ここ数十年のポピュラー音楽史において、
これからも魅力ある「ポップ・ソング」としての輝きを
放ち続けることでしょう。
いや、間違いなく。
●THE FAMOUS ARTIST:STEPHEN STILLS
Stephen Stills
ソロとして。バッファロー・スプリングフィールドのメンバーとして。
そして何より「クロスビー・スティルス・ナッシュ(&ヤング)」
のメンバーとして。
実に様々な音楽活動形態を繰り返しながらも、
いまだ現役バリバリで新作アルバムをリリースする姿には感服します。
それはかつての仲間であるニール・ヤングもグラハム・ナッシュも
デヴィッド・クロスビーも皆!!!
本当に「凄い」「素晴らしい」としか言いようがありません。
きっとこの4人の両足は「アメリカン・ロック」という名のもとに
地球の奥深くから長~い「根っこ」が元で出来ているんでしょうね♪
オフィシャル動画の数が少ないのですが、こんな映像がありました。
「ギタリスト」としての彼の「味」が感じられる名演奏をどうぞ♪
Stephen Stills - Crossroads (Live) - YouTube
最新作ではかつての恋仲だったジュディ・コリンズと、
なんやかんやあったにも関わらず
この歳にして再び音楽で相まみえるなんて。。。
スティルス&コリンズ(Stills & Collins)『エヴリバディ・ノウズ / Everybody Knows』
「大人って本当に凄い!!」ですね。(笑)
下世話な話ですが、恋が再燃したりしないものでしょうか??
せっかくですからジュディ・コリンズの情報もどうぞ~♪
若かりし頃はそれはそれは美人さんで、
そりゃあスティーヴン以外の男性もほっときませんがな!!
Judy Collins
1960年代、1970年代を生き抜いてきたアーティストって、
本当に「たくましい」の一言に尽きますね。
第64回 DIRE STRAITS『BROTHERS IN ARMS』
2018 年 12 月 29 日
●DIRE STRAITS:『BROTHERS IN ARMS』(1985年)
MarkKnopfler.com
yadgeが好きな「3大ギタリスト」のひとりが、
このダイア―・ストレイツのギタリスト兼ヴォーカリストだった
マーク・ノップラーです。
歌声はダミ声でお世辞にも「上手いヴォーカリスト」ではありませんが、
それをも超える情感豊かな声色と。
フィンガー・ピッキング(=指で弾く)においては
「現存するロック・ギタリスト」の中でも最高峰の上手さは疑いようが無く。
当時15歳のわたしには背伸びして聴いていたアルバムでしたが、
ここ数年でやっと身の丈に合った「名盤」としての存在感が
ぐわ~ん!!と自分の中で巨大化したアルバムです♪
通好みのいちバンドだったこのグループが、
あの「STING」を引き入れて「ポップど真ん中」で天下を獲ったこの曲よりも。
Dire Straits - Money For Nothing - YouTube
アルバム・ラストを飾る「暗くどん底なバラード」であるこっちの曲が、
実は全世界で数千万枚の売り上げを記録した「本当の原動力」なのでは?
と気付かされます。
Dire Straits - Brothers In Arms - YouTube
事実、後者の曲のほうが前者よりも多く視聴されている事実!!
そうなんです。
「人」ってやっぱり「怒りや哀しみ」のほうが「喜びと楽しさ」よりも
共感・共鳴するのだという自然の生理が働くのです。
みなさん。
精一杯カッコつけてオシャレして背伸びして、
身体も気持ちも「そんな感じの音楽」を聴いて生きるのもいいですが。
たまには「嘘のない感情」に身をゆだねて
「素直な自分の内情」を垣間見てみませんか??
そんな思いを馳せるアルバム・タイトル曲でした。
その他のすんばらしい楽曲の数々も、
この機会にまとめて見聞きしちゃって下さいませ♪
Dire Straits - Your Latest Trick - YouTube
Dire Straits - So Far Away - Stereo - YouTube
Dire Straits - Walk Of Life - YouTube
DireStraitsVEVO - YouTube
Dire Straits - Romeo And Juliet - YouTube
Dire Straits - Sultans Of Swing - YouTube
年内最後を飾るに相応しい、「名盤中の名盤」で
2018年を締め括らせて頂きました♪
●THE FAMOUS ARTIST:JEFF LYNNE(ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA)
Jeff Lynne's ELO - Jeff Lynne's ELO
みなさんは「ポップ職人」と聞いて、真っ先に誰の名前が浮かぶでしょうか??
極論はポール・マッカートニーやリチャード・カーペンターかも知れませんが、
わたしの中ではこのジェフ・リンの名が、かなり上位で上がります。
E.L.O時代のヒット曲でもモチロン、
その才能はいかんなく発揮されまくっていますが。
Electric Light Orchestra - Mr. Blue Sky - YouTube
Electric Light Orchestra - Last Train to London - YouTube
Electric Light Orchestra - Telephone Line (Audio) - YouTube
番組でお届けした「ザナドゥ」(byオリビア・ニュートンジョン)を
始めとする、他アーティストでのプロデュース・ワークの素晴らしさたるや。
まさにザ・ビートルズ
(『アンソロジー』においての新曲という大仕事!!)や、
The Beatles - Free As A Bird - YouTube
ジョージ・ハリスンや、
George Harrison - Got My Mind Set On You (Version II) [Official Music Video] - YouTube
トム・ペティや、
Tom Petty - Learning To Fly - YouTube
ロイ・オービソンや、
Roy Orbison - You Got It (Official Video) - YouTube
極めつけが、この「スーパー・バンド」の
まとめ役までも務めているわけでして。。。
The Traveling Wilburys - Handle With Care - YouTube
これらの仕業をして「職人」と言わずして何という!?
普段頭の中ではどんな風に「音像」が鳴っていらっしゃるのか。。。
見てみたいものですね!
第63回 RICKIE REE JONES『RICKIE REE JONES』
2018 年 12 月 22 日
●RICKIE REE JONES:『RICKIE REE JONES』(1979年)
Rickie Lee Jones - official website
例えが唐突ではありますが。
ケイト・ブッシュのデビュー・アルバムと同様に、
このリッキー・リー・ジョーンズも
デビュー・アルバムにしてその恐るべしクオリティの高さで、
音楽界に衝撃を与えたことと思います。
なにせケイト・ブッシュにはデイヴィッド・ギルモアが。
そしてこのリッキー・リー・ジョーンズには重鎮
レニー・ワーロンカー(プロデューサー)の肝入りかつ、
参加ミュージシャンの半端ない豪華さが!
そしてこの1stアルバムは内容もさることながら、
見事な彼女のポートレイトによるジャケットも有名です。
カメラマンはノーマン・シーフという凄腕!
ジャケット・デザインの世界 第3回:ノーマン・シーフ - KKBOX
全てが彼女の才能の下に集まり構築されていった奇跡の重なり。
永遠と語り継がれていくであろう「エヴァーグリーン」なアルバムのひとつ。
5月の来日公演でもきっとこのアルバムからの
名曲の数々が披露されることでしょうね!!
リッキー・リー・ジョーンズ・ジャパン・ツアー 2019
アルバム・リリースから今年でちょうど「40周年」!!
●THE FAMOUS ARTIST:GROVER WASHINGTON Jr.
番組でご紹介した「クリスタルの恋人たち」。
まずバブリーなその邦題に「どんな曲だろう?」と
想像力が掻き立てられますよね?
(※ボズ・スキャッグスの「二人きり」も同様。笑)
初めて聴いた時、「歌っている人の名前」が
グローヴァー・ワシントン・Jr.だと思ったら、
何と「サックス・プレイヤー」が彼で。
主役が「ビル・ウィザース」というアーティストだったことを知った時は
ビックリでした!!(笑)
この曲は、こんな意外な人物もカヴァー(サンプリング)しています。
Will Smith - Just The Two Of Us - YouTube
JAZZ/FUSION界において、彼は偉大なる功績を遺しこの世を去りました。
わたしのような初心者でも聴きやすいアルバムが多数ありますので、
是非この機会にみなさまの「お気に入り」にも
このアーティストが加わることを願っています♪