THE FAMOUS RECORDING

70's・80'sの名盤・名曲をじっくりとお送りする
「本物の洋楽番組」にどうぞお付き合いください。

every sat. 19:00~20:00 ON AIR
【担当NA】 yadge

第42回 CHIC『C'EST CHIC』

2018 年 07 月 21 日

●CHIC:『C'EST CHIC』(1978年)

NileRodgers.com :: HOME - NileRodgers.com

本年、巻き起こっている「ディスコ・ブーム」にあって、
このCHICの音楽と中心メンバーであるナイル・ロジャースの偉業を振り返るには
絶好のタイミングだと思います。

改めてこのアルバム『C'EST CHIC』を聴くと、
シングル楽曲以外の曲も素晴らしいクオリティであることに気付かされました。

ともするとダンス・ミュージック、と聞くと
「軽くてチャらい音楽」という先入観をわたしは持ってしまうクチなのですが
このCHICに関してだけはその先入観が見事に打ち砕かれました。

ナイル・ロジャースとバーナード・エドワーズ。

この二人のケタ外れの「才能の塊」が、時の流れに風化せず
今の時代にも確固たる音楽として機能しているという事実。

さらにはナイル・ロジャースのプロデューサーとしての圧倒的な成功例の数々。

中でもデヴィッド・ボウイ『レッツ・ダンス』(1983年)と、
マドンナ『ライク・ア・ヴァージン』(1984年)の2作品は、
80年代洋楽ファンにとっては強烈なインパクトとして永遠に刻み込まれています。

昨今、とどめを刺されたのは何といっても
ダフト・パンク「GET LUCKY」(2013年)でのギター・プレイ。

Daft Punk - Get Lucky (Official Audio) ft. Pharrell Williams, Nile Rodgers - YouTube

彼の代名詞である”カッティング・プレイ”が、
2010年代でも十二分に聴衆をノックアウトする魅力があることを
証明した特大ヒット・シングルでした♪

新作リリースがアナウンスされている今、
再びナイル・ロジャース旋風が巻き起こることは必至ですね!



●THE FAMOUS ARTIST:LINDA RONSTADT

Linda Ronstadt Homepage

ボブ・ディランにザ・バンドが、ボズ・スキャッグスにTOTOがいたように、
このリンダ・ロンシュタットにイーグルスの面々が関わっていたという奇跡。

もうそれだけで聴くに十分な「安心感」がありますよね!
「悪い音楽をやるはずがない」と。(笑)

リアルタイムで彼女の人気ぶりを体験していないので想像でしかありませんが、
チャーミングで歌がメチャ上手い若き女性シンガーを
大人たちがよってたかって放っておかなかった(=ええかっこしたかった)ことが、
彼女の音楽人生を豊かに彩る大きな要素だったのでは?

「ミス・アメリカ」とまで称されたアメリカ・ポピュラー音楽界の象徴的存在。

彼女は名だたるソングライターの名曲群を、自らの歌声で
「原曲以上に魅力あるもの」に昇華させる天才ヴォーカリストです。

例えば、イーグルスの「ならず者(デスペラード)」。
例えば、エルヴィス・コステロの「アリスン」。

その他、有名無名に関わらずとにかく素晴らしい楽曲を
素晴らしい歌声で音楽史に刻み続けてきた功績は、
計り知れないものがあります。

晩年は病の為、第一線から退いてしまいましたが、
レコーディング作品として残された名歌唱の数々は
これからも絶大なる影響力を持ってアメリカ音楽界に貢献を続けることでしょう。

それにしても。。。

彼女のロックの殿堂入りの際にスピーチをしたグレン・フライが、
その数年後にお亡くなりになるとは。。。

さぞ、リンダも悲しんだことでしょうね。

若き日のライヴ映像をどうぞ♪

Linda Ronstadt - "Blue Bayou" (Official Music Video) - YouTube

第41回 DIANA ROSS『DIANA』

2018 年 07 月 14 日

●DIANA ROSS:『DIANA』(1980年)

Diana Ross - ホーム | Facebook

スモーキー・ロビンソン、スティーヴィー・ワンダー、マーヴィン・ゲイ等と共に
「モータウン・レコード」の全盛期を大いに盛り立てたシンガーのひとりです。

アメリカでは「最も成功した女性アーティスト」
という称号があたえられた時期もありました。

大きな瞳を持つエキゾチックなルックスと、
天性のシンガーとしての魅力溢れる歌声は、
他の誰も持ち得ない彼女の絶対的な個性です。

映画「ドリームガールズ」でビヨンセがダイアナ・ロスをモデルとした役を演じたことで、
彼女の存在感はポピュラー音楽史において更に強力なインパクトを残すこととなりました。

でも、90年代以降の日本の音楽ファンにとっては完全に
「イフ・ウィ・ホールド・オン・トゥゲザーのひと」という認識かも知れませんね。
とにかくこの曲の日本独自の大ヒットの様はすごかったですから。

ザ・スプリームス~ソロ・アーティストのキャリアを通してのヒット曲の数々は、
「この曲は絶対にヒットするでしょ!?」という雰囲気に満ち満ちており、
いかに彼女が優れたソングライターの作品群に長年恵まれてきたかを物語っています。

「作り手」と「歌い手」の理想的なリレーションシップが機能していた
「モータウン」という恐るべしレーベルを象徴する最高最強のシンガーだと思います。

現在もアメリカ・ツアーを行っている彼女。
いつまでも輝き続ける、正真正銘の”スター”ですね♪



●THE FAMOUS ARTIST:MINNIE RIPERTON

Minnie Riperton - Come To My Garden :An inspirational tribute to Minnie Riperton

31歳という若さでこの世を去ってしまったミニー・リパートン。

「天使の歌声」と称される奇跡の歌声が見事に集約された「Lovin' You」♪

Minnie Riperton - Lovin' You (Official Video) - YouTube

この1曲だけでも、彼女が音楽史に遺した偉大なる功績として
永遠に語り継がれるほどの大名曲かつ名歌唱だと思います。

ジャネット・ケイがカヴァーしたことによって、
「第二のヒット曲」としての運命を授かることとなったのも印象に残っています。
先のダイアナ・ロスの「イフ・ウィ~」と同じく、
特にここ日本での大ヒットぶりは凄まじく。

後にジャネット・ケイや同類の女性シンガー達の音楽を称して
「ラヴァーズ・ミュージック」なるカテゴリーが生まれたほどでした。

レゲエ・アレンジによるジャネットのヴァージョンも確かに素晴らしいですが、
やはりこの曲は、オリジナルとしてのミニーの圧倒的な歌唱に勝るものではありません。

天才スティーヴィー・ワンダーもほれ込んだ彼女の歌声は、
本当に神様がもたらした「天使の歌声」だったと思います。

※それを表すスティーヴィー・ワンダーが彼女に捧げた楽曲
「パーフェクト・エンジェル」という曲があります。

彼女のような稀有なシンガーは、もう二度とあらわれることは無いでしょう。

その歌声は、これからもたくさんの新たな音楽ファンの心にも
響き渡っていくものだと思います。

第40回 STEVIE WONDER『INNERVISIONS』

2018 年 07 月 07 日

●STEVIE WONDER:『INNERVISIONS』(1973年)

Who's Talking & News - Stevie Wonder

この番組はアルバム単位での「名盤紹介」の番組です。

スティーヴィー・ワンダーの特集をすると決めた時、
どのアルバムを選べばよいものか悩みに悩みました。

本作でなくとも『TALKING BOOK』(1972年)、
『FULFILLINGNESS' FIRST FINALE』(1974年)、
『SONGS IN THE KEY OF LIFE』(1976年)のどれでもよかったからです。

番組内でも再三お話ししてきましたが、
1970年代で最もその才能が光輝いていたのが
スティーヴィー・ワンダーであったことは間違いありません。

グラミー賞60年史において「3作連続:最優秀アルバム賞受賞」という
快挙を成し遂げたアーティストは彼のみ。

マイケル・ジャクソンも、yadgeが大好きなU2も、
はたまたフランク・シナトラ(2作連続は有り!)も、バーブラ・ストライサンドも
他の大物アーティスト・バンドの誰しもが成しえなかった
「実現不可能な大記録」を未来永劫、彼が保持することとなるでしょう。

また彼はグラミー賞においての「パフォーマー&プレゼンター」としても超常連です!!

きとんと調べてはいないのですが、恐らくその出演数も最多なのでは?と思います。

12歳で全米No.1を記録して以来55年。

彼が「アメリカ~世界の音楽シーン」において
「最も尊敬を浴びるアーティスト」のひとりであることは不変です♪



●THE FAMOUS ARTIST:JOHN WAITE(THE BABYS~SOLO~BAD ENGLISH~SOLO)

John Waite – Official Worldwide Web Site

彼の魅力は何といっても、その「声」だと思います。
なんとも言えない独特な声質は一聴して「彼の声」だと分かります。

細身の身体から絞り出されるように放たれる声がバラードに実によく合います。

それが正に番組でご紹介した「MISSING YOU」(1984年)と。

追い打ちをかけたBAD ENGLISH時代に放った
2曲目の全米No.1ヒット「WHEN I SEE YOU SMILE」(1989年)。

Bad English - When I See You Smile - YouTube

ジャー二―を大成功に導いた立役者であるニール・ショーン(Gt)と
元同僚のジョナサン・ケイン(Key)とともに結成したバンドで
再びチャート・トップに立ったのです。

それ以降のキャリアでは大きなヒットには恵まれず、
いまだにこの2曲の大ヒットのみに留まっていますが、
現在も彼は精力的に全米ツアーを行っています。

日本ではなかなか活動ニュースが耳に入らなくなって久しいですが、
この「必殺の2曲」がある限り彼のキャリアは安泰です♪

だって2曲とも、とてつもなく素晴らしいバラードの名曲ですから。

第39回 MARVIN GAYE『WHAT'S GOING ON』

2018 年 06 月 30 日

●MARVIN GAYE:『WHAT'S GOING ON』(1971年)

Marvin Gaye - Classic Motown

Marvin Gaye - ホーム | Facebook

巨大ヒット・レコード製造会社真っただ中の「モータウン・レコード」において、
このアルバムを完成させかつヒットさせた彼の功績はモータウン・レコードのみならず
「ソウル・ミュージック史」においても大変重要なものでした。

単純なラヴ・ソング集ではなく、当時のアメリカ社会の「闇」である
ベトナム戦争、差別主義、貧困などを1曲1曲のテーマとしながらも
「アルバム作品」としてのトータル・コンセプトを貫き、
「音楽芸術」としての存在価値をも成しえた奇跡の1枚となりました。

同時代の黒人アーティスト:カーティス・メイフィールドの
『THERE'S NO PLACE LIKE AMERICA TODAY』(1975年)と並んで、
同質の名盤として現在に至るまで数多くのアーティストや
音楽評論家の方々によって語り継がれています。

社会的一面での重要性も去ることながら、
yadgeが何より耳を奪われたのはその「サウンド面」でした。

タイトル曲で聴かれるサウンド・プロダクション(特にストリングス!)の
綿密さたるや、言葉では言いえないほどの美しさに満ちています。

とにかくこの部分のストリングス・アレンジを聴くためだけでも、
このアルバムを有する価値があるとyadgeは確信しています。

この曲の忘れえぬ名カヴァーが、シンディ・ローパーによるカヴァーver.です。
Cyndi Lauper - What's Going On - YouTube

またこの曲はダリル・ホール&ジョン・オーツの
ライヴにおけるカヴァー曲としても有名です。

とにかく、この曲を聴いて「いい曲では無い」と思う方は
恐らく存在しないんじゃないか?と思えるほどの「絶対的名曲」。

初めてお聴きになった方々も、この機会に是非お手にして頂きたいアルバムです。



●THE FAMOUS ARTIST:LOWELL GEORGE(LITTLE FEAT)

Little Feat :: Homepage

日本では「通な音楽ファン」だけに知られているかのような存在のグループ、
リトル・フィート。

このグループが奏でるアメリカン・ロック特有の「土着感」が、
ともすると日本人にとっては肌に合わないのかもしれません。

しかしながら、1973年作の『ディキシー・チキン』は
大ヒット・アルバムではないにも関わらず、
本国アメリカのみならず邦楽アーティストにも絶大なる影響を及ぼしました。

番組中でお話した桑田佳祐さんのみならず、はっぴいえんど、矢野顕子さん等にも及び、
はっぴいえんどと矢野顕子さんはレコーディング・メンバーとして
リトル・フィートのメンバーを起用するほど、高い演奏技術とともに
彼ら独自の音楽性は優れた邦楽ミュージシャンの心を射抜いていたのです!!

中でも矢野顕子さんのL.A.レコーディング時のエピソードが有名で、
デビュー・アルバム『JAPANESE GIRL』(1976年)に参加した
ローウェル・ジョージが矢野顕子さんの才能に驚嘆して
「僕たちの力不足でした。ギャラはいりません。」と語ったと言われています。

アローウェル ・ジョージが驚嘆したその才能…矢野顕子の名盤『JAPANESE GIRL』|大人のMusic Calendar|大人のミュージックカレンダー

海外アーティストでもロバート・パーマーが
1srアルバム『SNEAKIN' SALLY THROUGH THE ALLEY』(1974年)で
ギタリストとしてローウェル・ジョージを起用しています。

短い音楽人生の中で、彼はリトル・フィートの中心メンバーとしての貢献に留まらず、
優れたアーティストの作品への参加でもその存在感を強烈に遺しています。

この機会に初めて彼のことを知った音楽ファンの皆様も、
是非色んな場面で活躍してきた彼の音楽をお聴きになってみて下さい♪

第38回 SADE『SRTONGER THAN PRIDE』

2018 年 06 月 23 日

●SADE:『SRTONGER THAN PRIDE』(1988年)

Sade

80'sにデビューして以来、いまだに
「最も好きな女性アーティストBEST 3」の座が揺るぎない
特別なアーティストです💓

きっとみなさまにとってもシャーデー・アデュというアーティストは
そんな存在ではないでしょうか?

エキゾチックで美しいルックスからして既に反則ですが(笑)、
スモーキーでセクシーな歌声、他に類のない独自の音楽性など
とにかく彼女にしか成しえないミラクルな要素がたくさんありすぎです!!

今作の次にリリースされた『LOVE DELUXE』(1992年)。

忘れもしません。

当時、福岡市天神のサザン通りにあった
レコード・ショップ「TRACKS」というお店で、
輸入盤で出たばかりのこのアルバムを試聴機で聴いた瞬間、
全身に鳥肌がたって即買いをしたことを♪

1曲目「ノー・オーディナリー・ラヴ」のイントロでの
ぶっといベース・ラインに瞬時にノックアウトされたのでした。

♪コチラ。
Sade - No Ordinary Love (Official Video) - YouTube

♪そして彼女の絶対的信者となる決定打となった「キス・オブ・ライフ」が、コチラ。
Sade - Kiss Of Life (Official Video) - YouTube

大学生当時。

彼女なんぞいなかったyadgeはSADEのこのアルバムと
今井美樹さんを聴きまくりながら、ひたすら大人の女性に憧れながらも
長渕剛兄貴を神と仰いで親不孝通りの入り口で毎週末ストリート・ライヴで
アコギをかきむしる!という謎な生活を送っておりました。

彼女が凄いところは、(ケイト・ブッシュにも通じるところでありますが)
時代に流されることなく、自分自身のペースを決して崩さずに
本当に自身の中から音楽が溢れ出たときにだけ、
アルバムをじっくりと制作してリリースをしているというスタンスです。

恐らくメジャー・デビュー早々にブレイクして以来、
レコード会社からは「もっとアルバムを!もっとヒット・シングルを!!」と
常にせかされていたと思いますが、
90年代以降は特にスロウ・ペースとなり、
自分自身の生活(結婚~離婚・再婚~出産~子育て)に重点を置いて
音楽活動を継続しています。

現時点で最新アルバムのリリースから既に8年。。。

とにかく毎回毎回、新作がこれほど待ち遠しいアーティストは、
そうそういませんよね。

♪番組中で「生涯のライヴ映像BEST 5」に入る!と言ってました
驚愕の映像作品『BRING ME HOME LIVE 2011』からの
ハイライト曲がコチラ。
Sade - Cherish the Day (Live 2011) - YouTube



●THE FAMOUS ARTIST:BARRY MANILOW

Barry Manilow – The official homepage of Barry Manilow, the greatest showman of our generation

80年代、10代の中学~高校生だったyadgeにとっては、
このバリー・マニロウの存在はビルボード・チャート上で
名前は知っていましたが、当時レンタル・レコードを借りて聴いたり、
ましてやLPレコードを買うにはほど遠いアーティストでした。

由緒正しき「アメリカン・ポピュラー・ミュージックの王道」的な
音楽を聴くには、まだまだ耳が若すぎたかと思います。

あ、同じタイプのアーティストにバーブラ・ストライサンドがいます。(笑)

彼の膨大な音楽キャリアをなぞるには、本当にたくさんの時間を要します。
ざっと調べただけでもアルバムが40枚ほど。。。!!

番組でご紹介した「Mandy」(1974年。邦題:哀しみのマンディ)を
耳にしたのは、大学卒業後の社会人1、2年目の頃だったと思います。

何気なくラジオを聴いていた時にこの曲が流れて来て、
初めてサビを耳にしたときにビビッ!ときたのです。

♪コチラ。
Barry Manilow - Mandy (from Live on Broadway) - YouTube

曲が終わってDJの方が曲紹介をしたのを聴いて、
「ん?これバリー・マニロウの曲だったのか!!」と。

かつて食わず嫌いで過ごしていた中学~高校生時代のことを思い出しながら、
「あぁ、少し歳をとってからだと良さが分かるんだな」と
それでも20代前半でしたが、あきらかに自分が好きで聴ける音楽の許容範囲が
広がったことを喜んだものです。

ロッド・スチュワート
(※なんと!シンディ・ローパーと一緒にツアー中です!!)同様に、
近年はスタンダード・カヴァー集で第二のキャリアを確固たるものとし、
今でも積極的にコンサート活動を継続中です。

♪番組のジングルでも使用している有名曲も、この通り。
Barry Manilow - Can't Take My Eyes Off Of You (Video) - YouTube

アメリカン・エンターテインメント・ミュージック界の
大重鎮のひとりであるバリー・マニロウ。

みなさんも機会があれば、まずはコチラのBEST盤から是非どうぞ~♪
ディスコグラフィ | バリー・マニロウ | ソニーミュージック オフィシャルサイト