第72回 ERIC CLAPTON『JOURNEYMAN』
2019 年 02 月 23 日
●ERIC CLAPTON:『JOURNEYMAN』(1989年)
Eric Clapton Official Website
エリック・クラプトン=「ギターの神様」
60年代、70年代、80年代、90年代、2000年代、そして2010年代まで。
ロック・ギタリストとして最も成功した人物と言っても過言ではありません。
これで、「3大ギタリスト」と呼ばれた3人の特集が完結しました!!
あとの2人はジミー・ペイジ(レッド・ゼッペリン)、ジェフ・ベックです。
ジミー・ペイジはあまり活発な新作やライヴ活動は
もう行わなくなって久しいですが、
ジェフ・ベックとエリック・クラプトンは新作リリースとライヴ活動を
いまだに継続していることは本当に素晴らしいと思います♪
なかでもエリック・クラプトンは2人と明らかに違う、
「ヴォーカリスト」としても大成功を収めている点が特筆に値します。
「いとしのレイラ」(1971年)での名歌唱はいうまでもなく、
番組でもご紹介したアルバム『ジャーニーマン』での
ポピュラリティ溢れる良質な楽曲の数々を、
見事に歌う様は「成熟したヴォーカリスト」、そのものです。
Eric Clapton - "Pretending" [Official Music Video] - YouTube
Old Love - YouTube
新旧を超えて、
ヒット曲のレパートリーがこれほどまでに充実しているギタリストも、
なかなか存在しません。(サンタナも同様に)
Eric Clapton - Wonderful Tonight (Official Live Video) - YouTube
Eric Clapton - Change The World (Live Video Version) - YouTube
Eric Clapton - I Shot The Sheriff (Live) - YouTube
Eric Clapton - Cocaine [Official Live Video) - YouTube
Tears In Heaven - YouTube
70年代は深刻なドラッグ中毒に侵されながらも、
音楽活動を糧にそれを乗り越えて。
作品として名演奏を残すことで、
自らの存在を常に世にアピールしてきた姿は感動的ですらあります。
かつて「親友の奥様を横取りした」のは、どうか?とも思いますが(笑)、
相手も彼の事を好いたのですから仕方のない事ですよね。
その親友であるジョージ・ハリスンとのジョイントで来日した際の
福岡国際センター公演、忘れがたい思い出です♪
キャリア50年あまり。。。
来月行われる来日公演(日本武道館)でも、
変わらず素晴らしい名演と名歌唱を披露してくれることでしょう。
●THE FAMOUS ARTIST:HOWARD JONES
Howard Jones
yadgeが洋楽に目覚め始めた1983年。
この曲の衝撃度ったら無かったです。
Howard Jones - New Song - YouTube
曲の雰囲気は違うものの、
70年代にエルトン・ジョンが残した大名曲「ユア・ソング」と同じ意味を、
「80年代型」の最新のサウンド・プロダクション付きで、
この曲は果たしていると感じずにはいられません。
そして1stアルバム『かくれんぼ』(邦題:1984年)の
あまりのクオリティの高さに、やがてひれ伏すのです。。。
Howard Jones - Pearl In The Shell - YouTube
Howard Jones - What Is Love - YouTube
Howard Jones - Hide & Seek - YouTube
これまでにリアルタイムで体験した「1stアルバムの衝撃」という点で、
このハワード・ジョーンズの1stは
本当にyadgeの「音楽価値観」を決定付ける
大きな要素となったのは間違いありません。
とにかく「曲がイイ!」んです♪
そしてその勢いはそのまま2ndアルバム
『ドリーム・イントゥ・アクション』(1985 年)に引き継がれました。
これも凄いことです!!!
Howard Jones - Things Can Only Get Better - YouTube
Howard Jones Look Mama - YouTube
Howard Jones - Life In One Day - YouTube
番組でご紹介したこの曲は、2ndアルバムに元来収録されていたものを、
あのフィル・コリンズによるプロデュースで
再録音して全米での最大のヒット曲となりました。
Howard Jones - No One Is To Blame - YouTube
本当に彼がメロディメイカーとしていかに優れているかが、
この曲でも容易に計り知れます。
そうなんです。
彼は60年代のレノン&マッカートニー、70年代のエルトン・ジョンに続く、
イギリスを代表するメロディメイカーとしての才能を授かった
80年代を代表する優れたアーティストの一人であるという事なんです。
それはまた同じレコード会社の先輩であるフィル・コリンズと同じく、
「80年代中期」のUK音楽シーンを支えた
「中心人物のひとり」であったという証拠なのです。
90年代以降は、かつてほどのヒットからは縁遠くなりましたが、
彼の真摯な音楽性は1㎜たりともブレることなく、現在にまで至っています。
第71回 THE POLICE『SYNCHRONICITY』
2019 年 02 月 16 日
●THE POLICE:『SYNCHRONICITY』(1983年)
The Police
「80'sのベスト・シングルは?」の問に、
yadgeは迷いなく挙げる3曲があります。
ヴァン・ヘイレンの「ジャンプ」。
U2の「ウィズ・オア・ウィズアウト・ユー」。
そしてザ・ポリスの
「見つめていたい(邦題)/EVERY BREATH YOU TAKE」。
その昔、上司の結婚披露宴の余興でこの曲を大胆にも演奏するという
無謀なことをやらかした事も。(笑)
おかげであの有名なギター・イントロは今でも弾けます♪
The Police - Every Breath You Take Video - YouTube
で、『シンクロニシティ』は、というと。
同じく「80'sのベスト・アルバムは?」という問いに対してもTOP3に挙げる、
まさに「一生の1枚」に数えられる真の名盤でして。
まぁとにかくアルバム全編にほとばしる
圧倒的な楽曲と演奏のクオリティの高さったらありゃしません!!!
The Police - King Of Pain Video - YouTube
The Police - Synchronicity II Video - YouTube
実際にグラミー賞で「年間最優秀アルバム」を争った
マイケル・ジャクソン『スリラー』に全くひけをとらない、
圧倒的な高品質を疑う者はいないでしょう。
そして何より。
そして何よりも。
キャリア最高楽曲だと断言できるこの曲がハイライト。
MVもスバラシイ。。。
The Police - Wrapped Around Your Finger Video - YouTube
そりゃこんなアルバム作りきったら、
次に何をどう作っていいのか解らんようにもなるわ。
と、いうことで「キャリア最高傑作を作って終わり」という
一番理想的な形で幕を閉じた稀有なバンドでもありましたとさ。
その後のスティングのソロでの大成功も納得の
「溢れ出る才能の泉」が結集した本作は、
地球上に存在する音楽ファンをこれからもすっぽりと覆い続けることでしょう。
第70回 ZZ TOP『ELIMINATOR』
2019 年 02 月 09 日
●ZZ TOP:『ELIMINATOR』(1983年)
Official Website | ZZ Top
「ヒゲ」!!
とにかく「ヒゲ」のおじさん2人の
ビジュアル・インパクトは未だ絶大なわけであります。
アルバムとしては次作
『アフターバーナー』(1985年)がオンタイムでしたが、
セールス的に大爆発したこちらを番組では選びました。
MTV(Music Television)全盛の波にのって
彼らは単なる渋いブルーズ・バンドから、
一躍「大衆ヒットを放ちまくる有名バンド」に大変貌を遂げたのです!!
ZZ Top - Legs (OFFICIAL MUSIC VIDEO) - YouTube
ZZ Top - Legs (OFFICIAL MUSIC VIDEO) - YouTube
ZZ Top - Sharp Dressed Man (OFFICIAL MUSIC VIDEO) - YouTube
またしばしばヴィデオに登場する「赤い車」も
「ヒゲ」と並ぶトレード・マークとなり、
「車社会アメリカ」におけるバンドのブランディングも
しっかりと構築出来ていた点も
長くキャリアを安定させている一因だと思います。
このアルバムでの大成功を受けての
『アフターバーナー』からもヴィデオが続々と♪
赤い車は「宇宙」へと飛び立ちました!!!
ZZ Top - Sleeping Bag (OFFICIAL MUSIC VIDEO) - YouTube
ZZ Top - Rough Boy (OFFICIAL MUSIC VIDEO) - YouTube
このアルバムには超絶しびれるバラード・ナンバー
「ラフ・ボーイ」が含まれており、
何と、後々あのジェフ・ベックをゲストに迎えての競演を果たすという
夢のような出来事がありました!!
Jeff Beck “Rough Boy” Live At The Hollywood Bowl USA 2016 Full HD - YouTube
今年で「結成50周年」という
信じ難いキャリアの永続性を保持している唯一のロック・バンド。
メンバー不動記録は、U2よりも長いんです!!!
アメリカ=ZZ TOP。
この音楽公式は現在の最大公約数では無いかもしれませんが、
まぁ「ベテラン長距離トラック・ドライバー」の車内BGM率は
いまだ高い確率を誇るのでは??
とにかく天晴!と言いたくなる奇跡のトリオです。
●THE FAMOUS ARTIST:MAURICE WHITE(EARTH WIND & FIRE)
Maurice White – The Official Maurice White Website
おそらくは。
70年代の日本洋楽シーンにおいて、カーペンターズを筆頭に
ABBA、ベイシティ・ローラーズ、ビリー・ジョエル、クイーン、
エアロスミス、KISS、チープ・トリック等と並んで
多大なる貢献を果たしたグループのひとつだったのでは?と思います。
特に「ディスコ・ミュージック」シーンにおいては
泣く子も黙る(死語?)キラーチューン(これも死語??)が
いくつも存在するヒット・グループとしてダントツの存在かと。
だって気が付いたら世代じゃないyadgeでさえ、
「宇宙のファンタジー(邦題)」「セプテンバー」
「ブギー・ワンダーランド」「レッツ・グルーヴ」の4曲は
意識していたわけもなく勝手に耳に入ってきて知ってましたし。
Earth, Wind & Fire - Fantasy (Official Music Video) - YouTube
Earth, Wind & Fire - September (Official Music Video) - YouTube
Earth, Wind & Fire - Boogie Wonderland (Official Music Video) - YouTube
Earth, Wind & Fire - Let's Groove (Official Music Video) - YouTube
リアル・タイムの時は「マグネティック」という曲が
ラジオのチャート番組から流れていましたが、
本国ではあまりヒットしていなかった事を後に知って
愕然としたこともありましたっけ。。。
特にこのグループのことが好きではなかったのですが、
yadgeが番組でご紹介したモーリス・ホワイトの「アイ・ニード・ユー」には
人知れぬ思い入れがありまして。
大学時代。
福岡市内の有名中華料理店で皿洗いのアルバイトをしていた時に。
そこのお店には「ピアノ弾き語り」のプロのシンガーの方が毎晩、
2ステージ生演奏をするという贅沢極まりない時間がありました。
繁盛店だったそのお店で毎晩毎晩、
売り上げにして数十万円分にあたる食器をひたすら洗い続けていました。
唯一の楽しみがその「生演奏」に耳を傾けられるひと時。
そこでレパートリーにされていた曲が「アイ・ニード・ユー」だったのです♪
その曲を知らなかった私はあまりの素敵さに、
シンガーの方に「誰の何という曲ですか?」と即座に聞いたのでした。
以後、わたしがその曲をいたく気に入ったので、
その方は時折レパートリーに
「アイ・ニード・ユー」を入れて下さるようになりました。
~というエピソードでした。
因みに。
アース・ウィンド&ファイアにはもう一人、
ファルセット担当のフィリップ・ベイリーという
有名ヴォーカリストが在籍していまして、
80年代にはフィル・コリンズとの共演でこんな大ヒット曲を記録していますよ♪
Philip Bailey, Phil Collins - Easy Lover (Official Music Video) - YouTube
第69回 SUZANNE VEGA『SOLITUDE STANDING』
2019 年 02 月 02 日
●SUZANNE VEGA:『SOLITUDE STANDING』(1987年)
Suzanne Vega – The official site for Suzanne Vega
前週のトレイシー・チャップマンと並んで
70年代以来の「シンガー・ソングライター・ブーム」の中心として
80年代中~後期にかけて明確な存在感を放った重要アーティスト。
Suzanne Vega - Luka - YouTube
1stアルバムの存在を知らずして、
初めてラジオでこの曲を耳にしたときの衝撃。
ほどなくしてミュージック・ヴィデオを見て
この曲が決してハッピーな曲では無く、
同じアパートメントに住む子供の目線で書かれた
「幼児虐待」の歌であることに気が付いた時は、
悲しくてボロボロと涙が出てきました。
※歌詞の中の「TROUBLE」「HIT」「CRY」といったワードに気が付きます。
今現在。
社会に暗い影を落としたまま、より一層深刻化している
「貧困」(先週のトレイシー・チャップマン)と「幼児虐待」が、
同時代に2人の女性によって「告発」された事実。
70年代の女性シンガー・ソングライター達が歌うことのなかった
「恋愛じゃないテーマ」がヒット・チャートに現れたことで、
ある意味後々ラップ・ヒップホップによって
社会問題が更に世の中に露呈されまくるという
導火線的な役割と果たしたと言えるのではないでしょうか?
目を伏せたいテーマを敢えて選び
歌にして世に放つことの勇気(あるいは「正義感」?)。
シンガー・ソングライターたる固いポリシーがあってこその、
この2人の人生の選択だと思います。
現在も彼女はその凛とした佇まいを損なうことなく、
自身のペースでキャリアを重ねています。
日常の中で、ふと気が付く些細なテーマを
私たちに歌を通して知らせてくれている
素敵な「シンガー・ソングライター」です♪
●THE FAMOUS ARTIST:JODY WATLEY
Jody Watley - ホーム | Facebook
80年代中~後期にかけてのブラック・コンテンポラリー音楽において、
彼女の存在感はそれはそれは華やかで誰もが憧れる「SUPER」なものでした💓
何よりその類まれなるルックスとスタイルの良さったら!!
衝撃のソロ・デビュー・シングルがコチラ。
Jody Watley - Looking For A New Love - YouTube
絵に描いたような「猫顔=色気顔?」に加えて、
確かな歌唱力とパフォーマンス、全てを兼ね備えていました。
後々でいうところのビヨンセみたいな存在だったと今思えば例えが浮かびます。
女優か?モデルか?みたいな美女が圧倒的なポテンシャルで
シーンを闊歩する様は、遠い日本国の田舎少年にも十二分に刺激的で
yadgeは「イチコロ」でした。。。(笑)
ところが。
そんなまるでアイドルを好きになったかのような
わたしの浅はかな思いが打ち砕かれることになるのです。
1991年にリリースされた3rdアルバム『AFFAIRS OF THE HEART』。
セールス的には前2作に及ばないものの、明らかに「格が違う」名盤で。
大学生当時、リサ・スタンスフィールドとともに
一番耳にしていた女性アーティストのアルバムになりました。
Jody Watley - I'm The One You Need - YouTube
表向きなカッコよさも更に増し、
片やジャネット・ジャクソンがメガ・ヒットを記録するようになっていた時に
わたしはひっそりと「断然ジョディ派!」を心に誓っていましたとさ。(笑)
シャラマーの一員としてデビューした後、数々の苦境を乗り越えて
ソロとして見事に大成した底力にも感服します!!
第68回 TRACY CHAPMAN『TRACY CHAPMAN』
2019 年 01 月 26 日
●TRACY CHAPMAN:『TRACY CHAPMAN』(1988年)
Tracy Chapman Online - ホーム | Facebook
80年代末期。
あらゆるものが「バブル」に浮かれていた最中で、
シンプルでストレートな彼女の音楽はその存在そのものが「奇跡」でした。
デビュー・シングルの「ファスト・カー」。
Tracy Chapman - Fast Car (Live 1989) - YouTube
BON JOVIの「リヴィン・オン・ア・プレイヤー」と同じく
貧しい生活から抜け出したい!という
切なる願いが込められた「生活者目線」の歌。
しかも彼女の場合は黒人目線も加わる為、
そこには労働条件に人種差別が不可されるので
より「現実味」を帯びて我々にメッセージとして発せられます。
先の動画は彼女がグラミー賞授賞式で行ったパフォーマンス時のもの。
番組でもお話ししましたが
「白人主義」がはびこるアメリカ最大最強の音楽イベントにおいて、
彼女は地味な普段着、しかもギター1本という
これ以上ない「丸腰」でステージに立ちこの歌を歌いました。
次週でお話しするスザンヌ・ヴェガも同様ですが、
この時代に女性シンガー・ソングライターとしての立ち位置を
明確に保ちながら(過度にポップに寄せない)、
メジャー・シーンでキャリアを重ねていくことは大変な事だったと思います。
(それは今では更に大変になってますが。。。)
デビュー・アルバムの大ヒットの後、90年代と2000年代に彼女は
再び信じられないポテンシャルの名盤を残しています。
90年代の1枚が『NEW BEGINING』(1995年)。
Tracy Chapman & Eric Clapton - Give Me One Reason (1998) - YouTube
映像はエリック・クラプトンとの共演によるタイトル曲のライヴver.です♪
このアルバムで彼女は2度目となるグラミー賞を受賞し、
1stでの成功が「時の流行り」で終わらなかったことを実力で示しました。
更に2000年代。
こちらはファン以外の方々にはほぼ認知すらされていない作品ながらも、
個人的には彼女の最高傑作だと信じて止まない
『OUR BRIGHT FUTURE』(2008年)。
Tracy Chapman - "Sing For You" (Official Music Video) - YouTube
この曲を聴いた時、無条件に涙が流れて来て、
そのまま続けて何度も繰り返し聴いたのを覚えています。
素晴らしい曲だと思いませんか?
残念ながらここしばらくは新作リリース活動からは遠のいて久しいですが、
世の中の波に流されることなく、自分のペースで、
またアルバムを作る意味や必然が生まれた時には
新しい歌を聴かせて欲しいものです♪
●THE FAMOUS ARTIST:NEIL DIAMOND
Neil Diamond Official Website
アメリカ・ポピュラー音楽界においては
「最重鎮人物」に間違いなく位置付けられている偉大過ぎるアーテイストです。
自らのヒット曲に留まらず、シンガー・ソングライターとして
数多くの楽曲提供による輝かしい成功の歴史を併せ持っています。
いまだに来日公演歴が無いことからも、
本国と日本との人気のギャップが伺い知れますね。。。
Neil Diamond - Sweet Caroline (Live At The Greek Theatre / 2012) - YouTube
↑
キャリアの中で最も有名なヒット曲:
「スウィート・キャロライン」(1969年)。
この世代のアメリカ人にとっては
「国家」に等しいくらいの歴史的重要楽曲になっています。
番組でご紹介したライヴ・アルバム『HOT AUGUST NIGHT』(1972年)には、
思いで深いエピソードがあります。
わたくしの洋楽の師匠と言える
福岡在住の偉大なるミュージック・マンの大先輩から、
ある時にこのライヴ・アルバムの素晴らしさを
熱く熱く語られたことがありました。
当時のわたしには「ニール・ダイアモンド」という文字は
自分の音楽辞書には無く、「懐メロ・シンガー」的な存在として
一生好きになることなど無い!と決めつけていた存在でした。
ところがその大先輩があまりにも熱くオススメされるものですから、
その熱意に負けて勇気を出してこのライヴ・アルバムを買い
何度も何度も聴き入りました。
正直、最初のころはどこが良いのかさっぱり解らず、
名盤と語られている作品とはいえ
失礼ながら買ったことを少し後悔していました。
ところが。
時が流れて、彼のアルバムが
キャリア初の全米1位を記録したニュースを耳にしました。
(『HOME BEFORE DARK』:2008年作)
その時「ん?そういえばライヴ・アルバム持ってたな。。。
久々に聴いてみようかな」とCDラックから引っ張り出して聴いてみると。
買った当時には何も分からなかったこのライヴ・アルバムの良さが、
まるで「別物」のように聴こえ、以来私の中で長い時間を経て
彼の偉大なる存在と楽曲の素晴らしさが
当たり前に感じられるようになりました。
「食わず嫌い」と同じくらい「聴かず嫌い」な音楽って、
みなさんにとってもたくさんあると思います。
私にとってのニール・ダイアモンドがそうであったように、
「今」は好きになれないけど、「将来」とんでもなく好きになるかもしれない!
そんなアーティストがもしかしたらあなたの目や耳が及ぶところで
「うごめいている」かもしれませんよ♪